『機動戦士ガンダム ジークアクス』第11話を視聴した。
時を超えて、響く歌
マチュとニャアンの戦いは、思ったよりあっさりと終わった。シャリア・ブルとエグザベの戦いも同じくらいの尺で描かれたか。
それにしても、ゼクノヴァやサイコミュの影響で起こる“超常現象”という設定、やや都合の良さを感じる。何でもそれで説明できてしまうのは、難あり。
これまでシャリア・ブルが「全てを知る者」として描かれてきたが、今回その役割をシャアが引き継いでいた。
そして驚かされたのがエンディングで流れた「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」。
この曲は映画『逆襲のシャア』の主題歌だが、TM NETWORKの1ファンとしてはアルバムで繰り返し聴いていた馴染み深い曲だ。(映画は、かなり後になってから見た。)
昨年の夏、ふとこの曲が無性に聴きたくなり、Amazonのデジタルミュージックで購入して以来、繰り返し聴いている。11話を観たあと改めて聴き返したが、やはり名曲だ。歌詞も良いが、インストゥルメンタルのパートも素晴らしい。この1週間、ずっと聴いてる。
「BEYOND THE TIME」という曲名は、「時を超えて」という意味だ。今回、この言葉を聞いて思い出したのが、鶴巻監督の『トップをねらえ2!』第3話。バスターマシン・キャトフヴァンディスがバスタースマッシュを放った直後、チコが超常の現象を体験する中で口にした言葉が「時を超えて」だった。物語のクライマックスを象徴する重要な場面だった。もしかすると、鶴巻監督はTM NETWORKのこの曲を特別に好んでいたのかもしれない。それであのセリフがでたのでは、と勘ぐる。
三者三様
今回、物語の中核となっている「シャロンの薔薇」を巡る登場人物たちの思惑が、三つに分かれいた。
マチュ、シュウジ、そしてシャリア・ブルは、シャロンの薔薇の中にいる少女をを救おうとしている。彼らの動機はそれぞれ異なるかもしれないが、少女を守るという点で一致している。
一方、キシリアは「シャロンの薔薇」を利用し、地球に残された“旧人類”を滅ぼそうと画策している。
そしてシャアは「シャロンの薔薇」がもたらす時空の歪みを是正するため、「シャロンの薔薇」を排除することで本来あるべき世界を取り戻そうとしている。
この三者三様の立場が、物語の予測を難しくしている。
普通の物語なら、登場人物は敵味方に分かれ争う。わかりやすい構図だし、それだけ力強いプロットになるが。
これだと次回の展開が読めない。
いろいろ考えさせるのが『ジークアクス』の魅力なのかもしれない。
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