『古代オリエントガイドブック』を読んだ感想──「3か月でマスターする世界史」から始まった歴史の旅

古代オリエント
古代オリエントガイドブック (シリーズ「古代文明を学ぶ」)

『古代オリエントガイドブック』 (シリーズ「古代文明を学ぶ」)  編集:安倍 雅史、津本 英利、長谷川 修一  ‎出版社:新泉社

古代オリエントに興味がわいた

昨年から始まったNHKの「3か月でマスターする」シリーズの第一弾、「3か月でマスターする世界史」が面白くて、毎週見るのを楽しみにしていた。特に第2回で、古代ローマをオリエントに入れるべきかどうか、ナビゲーターの岡本隆司先生とゲストの井上文則先生が議論していたのが、今でも印象に残っている。この番組では「オリエント」という言葉が何度も使われていた。

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3か月でマスターする世界史

 この番組がきっかけとなって、オリエントの古代史に興味を持つようになった。読んでみたのがシリーズ「古代文明を学ぶ」の一冊、『古代オリエントガイドブック』だ。 

 22のテーマを簡潔に解説

 本書は、22のテーマを一つずつ、見開き2ページで簡潔に紹介する構成になっている。各テーマの後には、図版や写真を中心とした見開きページが続き、視覚的にも理解しやすい。類書の中では抜きん出て地図がたくさん掲載されている。地理的な広がりや文明の位置関係がよくわかる。すなわち4ページで1テーマを説明している。短いが、わかりやすく、興味をひくように書かれている。
 一つ一つのテーマはそれだけで1つの章や1冊の本になるようなもの。数ページで説明できるような話ではない。著者たちは限られた紙面で説明するため相当工夫したんだな、とわかる。頭が下がる。

 すでに気候変動と「海の民」が古代地中海世界に与えた影響については知っていたが、この本は2024年刊行であり、新しい知見がどのようなものか確認できた。

 とくに興味深かったのは、ジーロフト文明、聖書考古学、中央アジアのオクサス文明の紹介。これまで知らなかったテーマで、文明の多様さを改めて実感させられた。

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