ジークアクス第12話を視聴した。
これまでの怒濤の展開を残り1話で収める構成で、情報量が多く、見応えのある最終話だった。
マチュとニャアンの共闘、シャアと再会するシャリア・ブル。
シュウジの正体がわかり、シャロンの薔薇は向こうの世界に帰る。
アムロが見えない手が物語を動かしていることが示唆されている。
そして人類は、ジオンが新しい統治者を迎え独裁を排除した新しい秩序を得る。
ファーストのファンを喜ばせる演出もある。
別の世界線の描写では、ファーストガンダムのオリジナルの声優の声が聞けた。
シャアが(ノーマルスーツでなく、モビルスーツでだが)艦橋のキシリアをバズーカで撃つシーン、赤いガンダムとキケロガが最後は相撃ち(ラスト・シューティングつき)で両機とも破壊されるシーンは、ファーストの最終話のオマージュだ!
こう書いてみると、なかなか感動的な最終話なのだ。
さらにタイトルの、だから僕は・・・は、富野監督の著書からとられていて、往年のファンとして嬉しい。
でもどこかしっくりこなかった。いくつかの謎が残されている。
疑問1 シュウジ
シュウジという存在が何者なのか、向こうの世界でどのような立場にいたのか、またどのようにこの世界へ来たのか――多くの謎が残されたままだった。彼の行動にはアムロの意志が関わっているようにも思えたが、それはどの世界のアムロなのか、そのあたりは、想像の余地がある。
そして、シャロンの「薔薇のララァ」を排除するためにシュウジが来たとするならば、なぜサイド6であれほど逡巡していたのかもわからない。
疑問2 ララァ
シャロンの薔薇としてこの世界に来たララァは、どの世界からきたのか? シャアがガンダムとの戦いで命を落とす世界から来たようなので、ファーストの世界ではないのだろう。そうすると、ファーストの世界は、これから生まれるのか。シャロンの薔薇のララァは元の世界に帰って行き、シャアをかばって死ぬ運命なのか。ララァが死なないとファーストの世界線は生まれないのだ。シュウジがララァを殺していればファーストは無かったことになる。マチュに「助けられた」ララァは、もとの世界のUC0079に戻りシャアを助けるために死ぬ運命なのか。(その結果、我々の知る宇宙世紀が生まれた) ララァが死ななければ、シャアが死ぬ。それは切なすぎるな。
疑問3 シャア
UC0079でシャアはゼクノヴァの最中に、誰と話していたのだろうか。グラナダから消えた「シャロンの薔薇」のララァは、時間凍結中で話はできないはず。もう一人のシャア? 別のララァ?
最終回で、シャアはシャロンの薔薇を排除するためイオマグヌッソの建造計画に密かに干渉していたことが判明した。
思うに、それほどの才覚と実行力があるなら、ザビ家から権力を奪えるのではないか。その後にシャロンの薔薇を送り返すほうが賢明だと思うぞ。結局、この人は何がしたかったか、さっぱりわからない(それがシャアらしさなのかも知れないが)。UC0079の時点では、ザビ家に復讐するとか、ニュータイプが幅をきかす社会を作るのが目的だったはず。シャロンの薔薇が、自分の未来に干渉することがどれほど気にくわないにせよ、邪魔にはならなかったはず。
そして地球に降り立ったシャア。さすがに地球にコネはないと思うが、どのように再起するつもりなのかな?
蛇足だが、キシリアを撃つときは、ギレンでなく、ガルマに言及して欲しかったぞ。
疑問4 シャリア・ブル
シャリア・ブルがアルテイシアを擁立する計略に関与していたというのは、驚き。
しかるに、木星帰りには気をつけろ、とキシリア派から警戒されている中、ザビ家に探られずに一派はどうやってアルテイシアに接触できたのか。このあたりの事情をもっと知りたい。それにアルテイシアは、連邦軍側でジオンと戦っていた。ジオン国民は素直に君主として受け入れられるだろうか?
突然、シャアを攻撃するシャリア・ブル。これまでのシャアを探し求めていたように見えた演出は、視聴者をミスリードする意図があったのだろうか。
それとも違う世界とつながったことで未来を予感することが出来、初めてシャアの冷酷さに気付いたのか。白いガンダムと戦って自分が命を落とす予感がしたのは、高まった予知能力の伏線?
疑問5 アムロ
この世界のアムロがいるのかどうか、最後まで明かされなかった。ファーストのハロは、アムロが自作したロボットだと思っていたので、この世界にもアムロはいるはずだと思った。ララァと同じくらいニュータイプの能力が高いので、この世界でも重要な役割を果たしているはず。全ての黒幕で、最後まで姿を現さない?
疑問6 マチュ
シャリア・ブルに絶賛されていたけど、そんなキャラだっけ?と思った。周りに振り回されてここまで来ちゃった感があるが。ニュータイプとして「本物」と言われるほど能力が高いのだが、それと本人の成長がリンクするストーリーが無かった、と思う。
ところで、エンディミオン・ユニットとは? SF界では、ダン・シモンズのSF小説『ハイペリオン』シリーズの後半の登場人物なのだけれどこの命名の意義は何? 若い女性を守護する能力が高いとか? そんなすごいものを積んでいたのに、マチュに「盗まれて」もジオン軍がすぐにジークアクスを取り戻すように動かなかったのは違和感がある。
多くの想像と考察の余地を残した最終話。
第1話から、繰り返し観てみようと思う。きっと新たな発見があるだろう。
ところで、エンディングで
最後、マチュとニャアンが地球にいる。二人ともそれぞれの後ろ盾を失ったはずだが、どのような手段で地球に来たのだろうか? ジークアクス単機で? ジークアクスは補給なし、整備・修理なしでも動けるのか。これも覚醒したエンディミオン・ユニットの力のなせるわざか。
自己修復能力があるとは、ターンAガンダムのようだね。
はっ、まさか、エンディミオン・ユニットのテクノロジーは、ターンAの(未来の)世界から来たのだろうか? 本作は、ターンAの前日譚な位置づけなの? エンディミオンって、ロラン?
もうどうなってもいいや。
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